代表コラム
【探究堂日記 #26】小さな植物学者が葉っぱを分類 「でかでか王」「頭とんがり」って一体?
机いっぱいに広げられたラミネート済みの葉っぱの数々。
たくらみ低学年(小学1・2年生)クラスがこれまでに拾った葉っぱは約30種類に及びました。
子どもたちはプロジェクトの最終ミッションとして、それらを整理・分類し、葉っぱマップにまとめていきます。
葉っぱマップづくりのためには分類のための軸が2つ必要になります。
どのような軸で整理すればわかりやすいか、早速アイデアを出し合うことにしました。
彼らはこの難題にうーんと考え込む様子を見せます。
「文さん、『わかりやすさ』ってどうかな?」
そんな中、小2のTくんは樹木の同定作業のことを思い出しながら、こう答えてくれました。
分析力の高い彼らしく面白い観点で、クラスメイトも思わず感心します。
しかし、わかりやすい・わかりにくいは主観によるところが大きく、分類のための軸として扱うにはいささか難しそうです。
この発言がきっかけとなり、他の子からもどんどん意見が出てくるようになりました。
「じゃあ、『葉っぱの大きさ』で並べたらいいんちゃう?」
「葉っぱ(の縁)がギザギザかなめらかかでも分けられるし!」
「『色の濃さ』はどう?けど、ラミネートして色が変わっちゃったのもあるからなあ……」
「僕は『葉っぱの厚さ』というのを思いついたで」
いずれも客観性が高く、今回の葉っぱマップに使えそうな指標ばかりです。
みんなで話し合った結果、最終的に「葉っぱの大きさ」と「葉縁の様子(ギザギザかなめらかか)」という軸を採用することにしました。
次に我々が取り組むべきは、それぞれの葉っぱがマップのどこに位置するか考えることです。
模造紙の縦軸に「葉っぱの大きさ」を、横軸に「葉縁の様子(ギザギザかなめらかか)」を定め、一種類ずつ検討していきます。
「イロハモミジはこの中で一番小っちゃくてギザギザやから、この辺りやね」
「ネズミモチも同じくらいちゃう?葉っぱの縁がなめらかやし、イロハモミジとは逆の端っこに置こか」
「クヌギとクリは似てるけど、クヌギの方がちょっと大きいで」
縦軸と横軸を意識しながら、これまでに拾った葉っぱを一枚一枚模造紙に配置していきます。
作業を進めていくと、当初は想定していなかった課題にも直面しました。
クロマツとイチョウの葉っぱの形が明らかに他のものと異なり、今回の分類軸で表すことが難しかったのです。
この問題に対しても迷うことなく、解決策を出すたくらみキッズ。
『とくべつ』というグループを作ってマップのど真ん中に置くという案には私も感心させられました。
最後は自分たちなりの基準で仲間分けをしていきます。
模造紙に配置された葉っぱについて、それぞれの特徴を掴むセンスが求められます。
ただ、過去のプロジェクトで同様の作業を経験した子どもたち(特に2年生)にとってはおちゃのこさいさいといった感じです。
彼らは次々に葉っぱを仲間分けし、ユニークな名前をつけていきました。
その具体例を一部ご紹介したいと思います。
『ギザ三兄弟』
・ネーミングの理由
葉縁の鋸歯が鋭く、目立っているから
・対象
クヌギ
クリ
アオキ
『頭とんがり』
・ネーミングの理由
葉の先が鋭く突き出ているから
・対象
シラカシ
ウワミズザクラ
ムラサキシキブ
『でかでか王』
・ネーミングの理由
葉っぱが大きく、存在感たっぷりだから
・対象
イヌビワ
アカメガシワ
こうして順調に作業を進めた結果、遂に立派な葉っぱマップが完成しました。
子どもたちは充実感いっぱいの表情でマップを眺めます。
プロジェクト発表会で保護者の方に見てもらうのが楽しみですね!
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