代表コラム
【探究堂日記 #24】小さな植物学者が挑む葉っぱの「同定」 最後に残った謎の1枚の正体は
教室にてこれまで自分たちが拾ってきた葉っぱと樹木図鑑を見比べる探究堂キッズ。
たくらみ低学年(小学1・2年生)クラスは同定作業の真っ最中です。
「これは絶対にクヌギやわ。(葉縁の)ギザギザな感じがそっくりやもん」
「(葉先の)とんがり具合がシラカシっぽいねんなあ」
「うーーーん、似てる葉っぱがいくつもあって難しい……」
樹木の同定は図鑑に載っている検索表をもとに行います。
葉っぱの幅の広さや切れ込みの有無、縁の様子や色・厚さを手がかりに、まずは一覧ページでよく似た葉を探します。
そして、それぞれの葉っぱの特徴を紹介した解説ページを参照し、間違いないか確かめるのです。
「イチョウって他の葉っぱと全然形が違うよね。めっちゃわかりやすい」
「このマツは先っぽを触ると痛いから、多分クロマツやと思う」
葉っぱの中にはひと目見て樹木の種類を判別できるものもありました。
普段から馴染み深いイチョウやマツはその代表格です。
ただ、それらはあくまで少数派で、ほとんどの葉っぱは図鑑とにらめっこしながら調べる必要がありました。
子どもたちは葉っぱの採集と同定を繰り返すなかで、検索表の見方に慣れて、次第に精度を高めていきます。
その姿はさながら小さな植物博士のようです。
ある日の授業のこと。
「文さん、この細長い葉っぱは図鑑に載ってへんみたい」
それは葉長が30センチ近くあり、非常に特徴的な形をした細長い葉っぱです。
樹木図鑑の一覧ページには似たような葉っぱが全く見当たりません。
今回のプロジェクトで参考書籍として使用していた図鑑は初心者向きで、街路樹や公園などでよく見かけるものが中心となっていました。
そのため調査を進めていくと、明らかに図鑑に掲載されていないケースも出てきました。
どうしても葉っぱの正体が気になったので、私は家に持ち帰り、さらに詳しい図鑑で調べることにしました。
参考書籍に比べて掲載されている葉っぱの数が2倍以上あるので、これは大丈夫だろうと高をくくっていたように思います。
しかし、見落としがないように最初から最後まで何度見ても、やはり該当するものを見つけることができません。
他の本も駆使しましたが結局わからず、そうこうしているうちに一週間が経ってしまいました。
(この葉っぱを特定するのは、今の我々にはちょっと厳しいかな……)
半ば諦めかけていたところ、偶然にも私は調査に役立ちそうな情報を入手することになります。
その樹木図鑑を書かれた著者のエッセイがきっかけで、彼がインターネットで樹木鑑定サイトを運営していることを知ったのです。
(よしっ、ダメ元で鑑定依頼を出してみよう)
サイトの掲示板は木の名前を知りたい人と、教えてあげたい親切な人で大変賑わっている様子が伺えました。
私は葉っぱと樹木の様子がわかる写真数枚を掲示板に載せ、早速鑑定依頼を出しました。
すると、ほどなくして常連の方から返事があり、あっという間に問題が解決してしまったのです。
「あの細長い葉っぱ、ついに名前がわかったで!ホソバイヌビワって言うんやって」
もちろんその週末の授業は調査結果の報告から始めることにしました。
「えっ、どうやって調べたん!?」
これまでの経緯を話すと、子どもたちは興味深そうに聞き入ります。
ずっと気になっていた謎が解けて、みんなとても嬉しそうです。
このように私自身も調査隊の一員として樹木の同定に夢中になり、プロジェクトは順調に進んでいきました。
残すは本プロジェクトの最終成果物となる「葉っぱマップ」の製作のみです。
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