代表コラム
【探究堂日記 #3】風の向きと川の流れる向きって同じ?違う? お手製の「風探索器」で子どもたちが発見
「『風』という言葉を聞いて、頭に思い浮かんだことを教えてくれへん?」
入塾して間もない幼児クラスのメンバーに問いかけます。
「『風』と言ったら……寒い」
「風が吹いたら、カーテンが揺れるからわかるねん」
「なんで『風』には『虫』という字が入ってるんやろ?」
「扇風機は風をつくる機械!」
子どもたちは突然の問いかけに一瞬戸惑いの表情を見せたものの、ほどなくぽつりぽつりと自分の考えを述べ始めました。
「お父さん、お母さんはどうですか?」
せっかくなので、授業に一緒に参加する保護者の方にも聞いてみます。
「『風』の上に『山』をつけると『嵐』になる」
一人のお父さんが漢字に着目した意見を出してくださいました。
すると、その発言に触発されてか、子どもたちも次々に自分の意見を出し合うようになりました。
「『嵐』って、普通の風より強いと思うわ」
「風の力で屋根がつぶれるのをテレビで見たことある!」
「竜巻は人とか車とかを持ち上げちゃうんやで」
最初は人前で話すのを恥ずかしがって声が小さかった子にも徐々に変化が見えてきます。
やがて、みんなの意見で模造紙が埋め尽くされていきました。
探究堂の授業は、テーマについて知ってることや思いつくことを確認するところからスタートします。
模造紙いっぱいに書かれた『風』に対するイメージが、これからの学びを通じてどう変化していくのか。
これがプロジェクト学習です。
さて、我々に課せられた次のミッションは、「風を探しに行こう!」です。
そこで、まずはそのお供となる「風探索器」を各自作ることにしました。
チラシを丸めて棒状にし、その先端にスズランテープを付けただけの簡易的なつくり。
しかし、細かい作業に不慣れな子にとっては一つの大きなチャレンジです。
丸めようとしてもすぐに広がってくるチラシをどうおさえるか。
持ち手の部分を丈夫にするには、どの箇所にテープを貼ればよいか。
スズランテープをうまく付けるためにはどうすればよいか。
時には大人の手も借りながら、子どもたちは作業を進めます。
「文さん(※私のあだ名です)、できた!!」
自分だけの風探索器を作り上げた彼らの表情はどこか誇らしく満足気で、早速椅子から立ち上がり、教室内で風を探し始めます。
全員の作業が完了したところで、いよいよ風探しの作戦会議です。
鴨川デルタの地図をみんなの前に広げて、計測場所と計測内容(強さと向き)を全員で再確認することにしました。
「川って風の力で流れていると思うから、川の流れる向きと一緒じゃないかな」
風向きを予想する場面では、本クラス唯一の男の子がユニークな観点で、自分なりの予想を立てていました。
授業を実施したのは4月の2週目。
桜のピークは過ぎていましたが、この日は天気も良く、鴨川デルタは比較的多くの人で賑わっていました。
その中をお手製の風探索器を掲げた小さな調査隊が歩き回るのはなかなか愉快な光景です。
「うわっ、ここの風めっちゃすごい!!」
手に持った風探索器のスズランテープが勢いよくたなびきます。
事前に決めた計測場所をひとつひとつ確認するなかで、鴨川デルタの三角州の先端部分は特に風が強いことを発見しました。
ただ、予想に反して、川下から川上の方向に風が吹いているようです。
(あれ、おかしいな。川の流れと風の向きって関係ないのかな?)
自分たちの予想とは異なる結果に遭遇し、驚きや不思議の種がひょこっと芽を出した瞬間です。
はたして、『風』プロジェクトは今後どのような展開を迎えるでしょうか。
探究堂の幼児クラスの名称は「ぷれりか」といいます。”Playful Science“の略です。
遊びを通して身近な自然と触れ合う中で、子どもたちの「科学する心」を育んでいきたいと思います。
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「探究する学びってどんなものだろう?」
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