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塾長コラム

こども哲学、やめます

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探究堂では、これまで主に年長さんから小学校低学年までの子ども達を対象に、月1回程度の頻度で哲学ワークショップを開催してきました。
ですが、今後は「こども哲学」をやめることにします。

 

 

◎ちいさな哲学者たちとともに

 

いまや世界各国に広がり注目を集めている「子どものための哲学」(Philosophy for Children, P4C)。

フランスの幼稚園での哲学対話の取り組みを描いたドキュメンタリー映画「ちいさな哲学者たち」(2011年)の上映がきっかけで、日本国内でもその輪が広がりつつあります。

 

私が「こども哲学」を始めたのも、この映画を観たことがきっかけです。

 

「友達ってなんだろう?」
「幸せってどんな時に感じる?」

 

対話のテーマは抽象的で、最初子ども達は慣れない体験に戸惑うこともしばしば。
そのため、私はみんなが安心して発言できる場づくりを行い、子どもたちの素朴な疑問や気づきを引き出すことを心がけています。

 

探究堂の「こども哲学」におけるルールは次の3つのみ。

 

①人の話をしっかり聞く
②否定しない
③あきらめずに考えつづける

 

ワークショップの最初に必ずこの約束事を全員で確認し、対話をスタートします。

 

普段の学校とは異なる環境のなかで、始めは緊張していた参加者の子が、90分または120分のワークショップを経て、次第に積極的に挙手し自分の意見を述べるようになっていく場面にこれまで何度も立ち会ってきました。
「帰り道に子どもとテーマについて語り合って、まるでワークショップの続きみたいだったんですよ。」
そのような後日談を参加した保護者の方から聞いたこともありました。

 

私自身、そんな一つ一つの実績に小さな手応えを感じていたように思います。

 

 

◎意味がある?意味がない?

 

「何のためにやるんですか?」
「どんな力が身につくんですか?」

 

この取り組みのことを他人に話した時に、上記のような反応に出くわすことが度々あります。
「こども哲学」は教育活動の一環ですので、やはり学びのねらいというものが存在しますし、それが気になる人もいて当然だと思います。

 

ちなみに、私は出張授業のご提案で、このプログラムの内容をお客様に説明する際には、「みんなで一緒に深く考える体験を繰り返すことで、物事をより深く思考し探究する上で必要な基本的な態度や構えを身につけること」がねらいだとお伝えしています。
(その態度や構えが具体的にどのようなものかは、今回の話の本題ではないので省略しますね。)

 

その考え自体には疑いを持っていません。
ただ、ある時、「答えのない問いについて、ああでもないこうでもないと話すことがただ楽しいから、てつがくワークショップを開催している気もするなあ」と心のどこかで思っている自分がいることにふと気付きました。

 

大人はどうしても目に見える成果を求めがち。
この「楽しい」という感覚は、いくら論理的に説明したところで、実際に体験しない限りなかなか伝わらないものです。

 

 

◎きっかけは子どもの発言

 

「こども哲学」と銘打って開催していたワークショップですが、実は人数が少ない回では保護者や見学者の方にも子ども達に混じって対話に参加していただくことがありました。

 

一つ思い出深いエピソードがあります。
その回のテーマは「勇気」だったのですが、対話の導入として、次の絵本の読み聞かせを行いました。

 

テーマそのものがタイトルになったこの作品には、すごいのから、ちいさいのまで、たくさんの勇気が登場します。

 

その中に、雨風が強い夜に不気味な音に怯えながらも必死に番犬を務める犬の様子をユーモラスに描いた場面がありました。

 

「これは勇気ではないんじゃないかなあ。」

 

対話を進めるなかで、参加者の1年生の男の子がこうつぶやきました。

 

理由を聞いてみると、(犬に限らず)家族の一員であれば家族を守るのは当たり前だから、とのこと。
自分にも家族を守る義務がある。だから、この事例を「勇気」と呼ぶのは少し違うと思ったようなのです。
そして、この発言をきっかけにして、そもそも「勇気」って何なのだろうと対話が新たな展開を見せたのです。

 

アンケート記入後に、その子のお父さんが「自分があれこれ悩んでいる隣で、息子がすっと手を上げて発言するのに驚きました。子どももいろいろ考えているもんですね。。」と私に語ってくれたのがとても印象的でした。

 

 

◎大人と子どもが学び合う場所づくりへ

 

子どもの発言に刺激を受けて、大人の思考がさらに深まり、対話が活性化する。
この一件は、答えのない問いについて考える上で、大人と子どもは対等の関係であることを私に再認識させてくれる機会となりました。

 

これまでのワークショップの経験から、慣れない状況であっても子どもはすぐに順応することを私も実感済み。
むしろ大人にこそ、自分の素直な気持ちや考えを述べる機会を提供する必要があるのかもしれません。

 

探究堂は現時点では子ども向けのプログラムしかご用意できていませんが、私が理想とするのは「大人と子どもがともに学び合う場」です。
そう考えると、「こども哲学」に固執する理由が特にないことに気付きました。

 

なので、今後は「こども哲学」をやめることにします。
これからは、プログラムを「おやこ哲学」に改め、親子で学び合う哲学ワークショップを開催していくことにします!

 

9月の開催イベントも参加条件を見直すことにしました。
ご興味ある方はぜひご参加くださいませ。

 

 

===体験授業と保護者説明会にご参加ください!

 

「探究型の学びってどんなものだろう?」
「子どもたちが学ぶ様子はどんな感じなの?」
「探究型の学びを通じて、子どもたちにどんな力が育まれるんだろう?」

 

このブログの読者の中で、上記のような感想を抱かれる人がいらっしゃるかもしれません。

 

探究堂では、我々の取り組みをもっと知って頂くために体験授業と保護者説明会を開催しています。
この機会にぜひご自身の目でお確かめください。
参加特典もございますので、お楽しみに!

 

ご興味ある方はこのページの下にあるバナーをクリックし、体験授業と保護者説明会の開催日程をご確認ください。

 

 

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