代表コラム
【探究堂日記 #43】シラサギがカラフルに大変身!? 子どもたちが「色の魔法使い」になって紙芝居作り
たくらみ中学年(小学3・4年生)クラスが今年度最後に挑むのは「色」プロジェクトです。
世界的ベストセラー「はらぺこあおむし」で知られる絵本作家エリック・カールのような色の魔法使いになって、コラージュ紙芝居を作ることを目指しています。
「『起承転結』って聞いたことある?自分の言葉で説明できるかな?」
私からの問いかけに対し、もちろんという表情でうなづく最上級生のKくん。
その一方で残りのメンバーは、聞いたことはあるものの、いざ説明せよと言われると少し自信なさげな様子が伺えます。
そこで、学校の復習も兼ねて、まずはじめに「起承転結」の意味と使い方を学びます。
たくらみキッズは1月の特別プログラムにて、なんとなく気になるもの・ことを感じながら歩きまわってみることで、たくさんの発見や疑問を見つけました。
私はその時に集めた「ふしぎのタネ」をストーリーづくりに活用してみようと子どもたちに提案しました。
「何もないところから考えるより良いかも」
彼らはその提案を快く受け入れてくれて、早速ストーリーの中身を検討し始めます。
まっさらなコピー用紙に向かう彼らの表情は真剣そのものです。
「文さん、こんなんどうかな?」
しばらくすると、ある男の子が私のところにストーリーの素案を持ってきました。
その内容をざっと確認すると、すぐに明確な課題が見つかりました。
設定が複雑で登場人物が多いため、読んでいて話の内容が全く頭に入ってこないのです。
次の順番を待っていた子の作品は、「結」の部分がダラダラ長く、ストーリー全体がどうにも締まらない印象です。
どちらにも、まずはシンプルにストーリーの骨格を決めてみてはとアドバイスを送りました。
キャラクターや設定などの「肉付け」はその後で全然構いません。
こういったやりとりを何度も繰り返し、ストーリーをどんどん洗練させていきます。
紙芝居製作においては、ストーリーにあわせて構図を検討する必要もあります。
エリック・カール作品の特徴である鮮やかな色彩と大胆な構図を真似て、登場人物をいかに生き生きと描くかが今回の重要なポイントです。
小4のKくんはストーリーの最後に、主人公のシラサギがカラフルに変身する様子を描きたいとのこと。
しかし、当初の構図ではシラサギが真ん中にちょこんと佇んでいるだけで、見る人にインパクトが伝わりません。
「変身後の様子をわかりやすく伝えるためには、羽を広げてみたらどう?」
「そっか、正面から見た感じにすれば、もっと大きく描けるかも」
小3のAくんが検討していたのは、カラスと何かがぶつかってごちゃまぜになるというユニークなアイデアでした。
「関係性が遠い方が組み合わせたら面白そうやね」
「じゃあ、カラスは空を飛んでるから、地上にいる生き物にしてみよかなあ」
授業時間内でストーリーはあらかた出来上がったので、ホームワークで構図を完成させてくることになりました。
翌週の授業ではコラージュで使用する色紙づくりに取り組みました。
2台つなげて5メートル近くなる長机に新聞紙を敷き、導線を意識しながら道具を並べ、準備はオーケー。
教室はまるで工房さながらです。
薄紙にアクリル絵の具で色を塗り、様々なパターンの色紙を一枚一枚作っていきます。
間違いを恐れず大胆に塗ることがモットーです。
その日は見学者の方も大勢いらっしゃったので、我々の作業を手伝ってもらうことに。
作業中、子どもたちは自由にできることが楽しいようで、思い思いに工夫を凝らして、型にはまらない独創的な作品を生み出していました。
その様子を見て、大人も負けじと本気を出します。
相乗効果で作品たちがどんどん伸びやかになっていくのが、傍から見ていてとても愉快でした。
結果的におよそ1時間で56枚もの色紙が出来上がりました!
必要な素材が揃い、次回からいよいよ本格的に紙芝居製作に突入です。
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