代表コラム
【探究堂日記 #42】地図にぽっかり現れた巨大な長方形の正体とは? 江戸時代の「大原口道標」にも遭遇
たくらみ低学年(小学1・2年生)クラスは現在、まち探検プロジェクトに取り組み中です。
全体を俯瞰する「鳥の目」と細部に注目する「虫の目」を駆使して、思わず人に紹介したくなる発見を書き込んだオリジナル地図を作ることを目指します。
2日目の授業では、まずみんなで国土地理院が発行する地図を確認してみることにしました。
今回用意したのは我が国の基本図として様々な用途で使用される2万5千分の1地形図です。
「あっ、この地図、琵琶湖も載ってる!」
探究堂の活動拠点がある「京都東北部」の地図では滋賀県大津市も範囲に含まれていました。
地図で見ると、隣県の琵琶湖が思いのほか近くに感じられます。
「探究堂の教室があるのはどの辺りやと思う?」
そう問いかけると、たくらみキッズは我先にと身を乗り出して地図とにらめっこします。
出町柳駅や鴨川デルタといった目印はすぐに見つけられたようですが、それぞれが指差したところは正解の場所とはかなりずれていました。
子どもたちに縮尺の感覚をつかんでもらうため、私は実際の地上の長さ100メートルがこの地図上では4ミリメートルで表されることを伝えます。
すると、「たった、そんだけ?」と彼らは驚きの表情を見せました。
改めて地図に目をやると、地図でもはっきりわかるくらい大きな長方形で描かれたある場所に意識が向きます。
「御所って、めっちゃ広いねんなあ……」
探究堂の授業でも何度も訪れたことのある京都御苑の広さを私たちは改めて実感します。
しばらく地図を眺めていると、いろいろな地図記号があちこちに登場することに気づきました。
「『〶』は郵便局で、『X』は交番やった気がするわ」
2年生のSくんが元気よく答えてくれました。
家でも地図をよく見ているというだけあって、どうやら自信があるようです。
「『文』のところには僕の別荘があんねん」
私のあだ名を交えて、不意に私がしょうもない冗談をかますと、「ちゃうで!このマークは学校やし」と子どもたちは笑いながら訂正します。
このように彼らにとって馴染み深いものもあるようですが、ほとんどの地図記号は謎のまま。
私たちはそれらの地図記号のところに実際何があるかを確認すべく、まち探検に出かけました。
たくらみキッズが最も気になっていたのは教室周辺に何個もある『卍』マークです。
「ほんまにこの辺にお寺あるんかなあ?」
地図を片手にいつもは行かない方面をうろうろ探索してみることに。
しばらくすると、たしかにそれらしい門と壁が見えてきました。
よほど意識して見ない限り、特色ある建物も風景の一部になってしまうのかもしれません。
「あのマーク、お墓のことやったんや!」
門から中を覗いてみることで、謎だった『⊥』マークの正体が判明しました。
どうりでお寺の近くに描かれていた訳です。
子どもたちは本物の探検隊になった気分で、地図記号が描かれた場所を一つずつ探し当てていきます。
教会だと思っていたものが実は病院だったり、図書館だと思っていたものが実は美術館だったり。
探検前の予想は外れたものの、新たな発見がいくつもあり、たくらみキッズは満足げです。
「これ、何やろ?」
教室への帰路の途中、寺町今出川で私たちはある石碑を発見しました。
その4面には方角だけでなく、たくさんの地名が距離とともに示されていました。
「大原口道標」と呼ばれるこの道標は幕末に建てられたもので、今なお美しい形で残されているのです。
数多くの旅人を導いてきた石碑を子どもたちが物珍しそうに触ったり、そこに書かれた文字をどうにか読み取ろうとする姿がなんとも印象的でした。
まさに時代を超えて、先人とのつながりを感じる瞬間だったように思います。
たくらみ低学年クラスのまち探検はまだまだ続きます。
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