代表コラム
【探究堂日記 #21】ボールペンを分解してわかった「すごい仕組み」 子どもたちがエンジニアに
たくらみ中学年(小学3・4年生)クラスでは、「技術や仕組みは応用できる」を合言葉に夏休み明けより新プロジェクトに取り組んでいます。
身近な材料を使ったものづくりができるとあって、子どもたちの期待感も高まります。
「みんなに聞きたいんやけど、『道具と機械』という言葉を聞いたら、どんなことを思い浮かべるかな?」
探究堂のプロジェクト学習の進め方にもすっかり慣れた彼らはすっと挙手して、自分たちの考えを述べ始めます。
「機械は電気で動くイメージがあんねんなあ」
「機械は人が何もしなくて動くんちゃう?例えば、お掃除ロボとか」
「ペッパー君は人型ロボットやもんね」
「車もエンジンで動くし、機械やと思うわ」
どうやら「自動」という要素が、機械かそうでないかを分けるポイントの一つだと捉えているようです。
道具に関しては以下のような意見が挙がりました。
「道具って、何かを作るために使うもんなんちゃう?」
「作るだけじゃなくて、修理の時とかにも使うで」
「いろいろな目的のためにあると思うねん」
「包丁やフライパン、炊飯器もキッチンで使う道具でしょ」
「学校やったら、鉛筆や消しゴムや下敷きとかかな」
使用する目的がなく、使いようがないものは道具とは言えないというのが全員の共通見解でした。
ここで私はあえて、子どもたちの考えをより深堀りするため、質問を投げかけてみることに。
「じゃあ、火って道具なんかな?火があれば、いろいろなものを焼いたりできると思うんやけど」
この問いかけに対し、たくらみキッズの面々は少し考える素振りを見せましたが、最終的に「火は道具ではない」という結論に達しました。
対象を手でつかめるかどうかが、道具とそうでないものを分ける基準なのだそうです。
はたして2ヶ月間のプロジェクトを通じて、彼らの認識にどのような変化が生まれるでしょうか。
テーマに対する既有知識の確認を終え、早速私はあるミッションを提示しました。
それは「身近にある文房具を分解してみよう!」というものです。
近所の100円ショップで調達したノック式ボールペンを見せながら、作業の概要について説明します。
ノック式ボールペンとは、カチっと片手で押すだけでボールペンの芯が本体から出て、もう一度押すと出ていた芯が中にひっこむ仕組みになっているボールペンのことです。
このボールペンが道具として正しく機能するためには、芯の出し入れの機構が重要になります。
勝手に芯が出てしまっては周りのものをインクで汚してしまいますし、書いている最中に芯が引っ込んでしまうと安定して書き続けることができません。
子どもたちはこれまであまり意識することのなかったボールペンの仕組みを興味深そうに調べ始めました。
「外側のゴムは滑り止めのためにあるんやね」
「バネがあるから、勝手に芯が出てこうへんねんな」
分解してみることで、それぞれの部品が何の役目を果たしているのか想像を働かせます。
そして、また元に戻して動作を確認することで、自分の予想が当たっていたかを確かめます。
ボールペンと向き合う彼らの表情は真剣そのものです。
ただ、肝心の芯の出し入れの機構がなかなか解明できません。
「音がカチッと鳴って、この部分が回転してるんはわかったけど……」
「そもそも、なんで回転する必要があるんやろ?」
何度も芯の出し入れを繰り返し、ボールペンの動きをじっくり確認します。
「あっ、俺わかったで!!!」
どうやら、クラス最年長のKくん(小学4年生)はその仕組みを完全に理解したようです。
図に書き起こしながら、クラスメイトに説明する彼の表情は充実感に満ち溢れていました。
「こんなすごい仕組みのものが100円ショップで売られてるんやね!」
Kくんの説明を聞き終わり、クラス唯一の女の子であるMちゃんが思わず驚きの声をあげました。
身近な道具にも様々な工夫が施されていることを知った子どもたち。
メカエンジニアとしての第一歩を踏み出しました。
* * *
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