代表コラム
【探究堂日記 #20】葉っぱを隅々まで知れる「フロッタージュ」って? 小1・2年生が植物博士に
「『葉っぱ』という言葉を聞いて思いついたことを教えてくれへん?」
夏休み明けから始まるプロジェクトを心待ちにしていたたくらみ低学年(小学1・2年生)クラスの子どもたちに問いかけます。
身近にあって見慣れたものでありながら、普段はあまり意識することがない樹木の葉っぱ。
今回のプロジェクトでは、その葉っぱを注意深く観察、調査していきます。
「葉っぱにはいろいろな形がある!」
いつも元気いっぱいな小2のS君が真っ先に手を挙げて答えてくれました。
この発言を皮切りに、次々に意見が出てきます。
「季節によって色が変わんねんで」
「そうそう」と全員がうなずいていたので、彼らのイメージする季節ごとの色を確認してみることに。
それらをまとめた結果が以下の通りです。
・春:黄緑、緑
・夏:濃い緑
・秋:赤、黄、ちょっと緑
・冬:茶、黒
緑一つとっても、その色合いの違いを何とか表現しようという思いが感じられます。
「秋や冬の葉っぱって、やぶけやすいよね」
「枯れかけで水分が減ってるからとちゃう?」
五感で得た情報と自分が持つ知識をつなげて、想像を働かせます。
冬に葉っぱが枯れて落ちてしまう木とそうでない木が存在することも子どもたちは知っているようです。
出てきた意見の中には、葉っぱそのものではなく、そこにとまった虫に注目したものもありました。
葉っぱでアリを見かけるのは、アブラムシがおしりから出す甘い蜜が目当てだとのこと。
その代わりに、アリはアブラムシの天敵であるテントウムシを追い払う役目を果たしていると言うのです。
ただ、これらの虫が葉っぱを食べているかどうかまではよくわかりません。
「僕ん家の庭の木が黒カビ病になって、葉っぱが黒くなっちゃってん……」
小2のT君の実体験を聞くと、樹木も人間と同じく生きていることを改めて実感します。
テーマに関する既有知識の確認を終える頃には、子どもたちの「早く葉っぱを拾いに行きたい!」という思いが最高潮に達していました。
そのはやる気持ちをおさえて、葉っぱ採集における心構えとルールを説明する時間を取りました。
本来ならば、落ちている綺麗な葉っぱだけを集めて作業を進めるのが理想的です。
しかし、より多くの種類の葉っぱを調査するためには、木から生きている葉っぱを取らざるを得ない場面が出てくるはずです。
我々はこの行為自体が探究堂の約束事である「ものを大切にする」に反していることを自覚しなければなりません。
その上で、申し訳ない気持ちを持ちながら、必要最小限の枚数に留めておくことを徹底します。
ちなみに、採集する葉っぱは1本の木につき2枚に限定しました。
1枚は押し葉にした後、ラミネート加工を行い、採集データとして保管します。
もう1枚はフロッタージュ(こすり出し)用として、葉っぱの特徴を掴むために活用します。
初回の授業では近所にある大きな公園に移動し、練習も兼ねて、採集活動を行いました。
「モミジの葉っぱまだ青いなあ」
「見て見て、葉っぱの周りがめっちゃトゲトゲしてるで!」
「マツだけ葉っぱの形が全然違うやん」
実質20分程度の作業でしたが、それでも何種類もの葉っぱを発見することができ、子どもたちは大変満足げです。
教室に戻ってからは、拾ってきた葉っぱを使って、フロッタージュを行いました。
葉っぱの上にコピー用紙を置き、色鉛筆を少し斜めに倒してこすると、全体の形だけでなく、葉縁や葉脈の様子が浮かび上がってきます。
フロッタージュの作品の中で特に印象に残ったのはイチョウの葉っぱです。
他に比べて凹凸が少ないように思えたのですが、いざこすり出しをしてみると、思いのほかその特徴がはっきりわかります。
「家に持って帰って、(フロッタージュの)続きをやろかなあ」
小1のT君はこの作業がとってもお気に入りの様子。
「葉っぱの不思議を解き明かそう!」を合言葉に、小さな植物博士たちの探究がスタートしました。
* * *
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