代表コラム
【探究堂日記 #6】駄菓子屋出店で子どもたちがつかんだ「商売の極意」 笑顔、品ぞろえ、そして……
ゴールデンウィークの2日間の駄菓子屋出店はなかなかの盛り上がりを見せました。
中学年クラス(小学3・4年生)が春先から取り組んできた「商いプロジェクト」も終盤を迎えます。
小さな商人たちを待ち構える最後の大仕事、それは収支の決算です。
「総売上高を計算するには1日目と2日目の売上を足せば良いってことやんね」
「商品の仕入れにかかった費用はいくらやったっけ?」
「それは現金出納帳を見たらわかるはずやで」
会計用語の意味を一つ一つ確認しながら、プロジェクト全体の収支を計算します。
「総売上高から仕入れ原価を引いたらプラスになったよ!これって儲かったってこと?」
一瞬喜びかけたものの、そこにはレジ袋や試食用に買ったお菓子などの費用が考慮されていません。
販売管理費も含めて計算した結果、営業損益は赤字となってしまいました。
「2日目の後半に雨降らんかったら良かったのに」
「そうそう、あれがなかったらもっと売れてたと思うわ」
愚痴っぽいつぶやきとともに、少し残念そうな表情を見せる子どもたち。
今回の出店においては場所代を免除していたので、有利な条件でお店を経営できたはずです。
もしこれを本業とするのであれば、さらに自分たちの給料を稼がなければなりません。
「商売って、めっちゃ大変やねんなあ……」
駄菓子を販売している時は楽しさが先行していましたが、決算で真剣に数字と向き合うなかで、子どもたちは商売の厳しさもまざまざと実感したようです。
無事決算を終えた我々はいよいよ事業報告会に向けての準備に取り掛かることにしました。
まずは駄菓子屋の出店(準備も含む)において工夫したこととその成果を振り返ります。
「買ってくれそうな人に声をかけることを意識したかな」
「そうそう、特に子どもはお菓子好きやと思ったから、子連れのお母さんによく声かけたよ」
「あと、何人かで一緒に歩いてるグループにも」
実際のところ、彼らの宣伝活動がきっかけで来店してくださる方も多かったので、この作戦は功を奏したと言えるでしょう。
「自分が食べて美味しそうやなと思う商品を仕入れたで」
「ガブリチュウと串カツ、のむんチョゼリーは結構売れたよね」
「試食した甲斐があったと思うわ」
ターゲット層を子どもに定めた場合、自分たちが欲しいと思うものを選ぶことがまさに消費者目線に立って考えていることにつながっていると実感してくれたようです。
「2日目に同じ値段のものを固めて置いて、その前に大きな値札を付けたのも良かったよね」
「すごく見やすいと評判やったし」
商品の選び方・陳列方法・宣伝などいろいろな場面で小さな工夫が施されたことがわかります。
ちなみに再度駄菓子屋を出店するとしたら、どの部分を改善するかという質問に対しては、以下のようなアイデアが挙がりました。
・冷やして美味しい商品はクーラーボックスに入れて置く
・仕入れた商品すべてを最初から店頭に出す
→一日目に出し損ねた商品があり、最終的にたくさん売れ残ってしまったため
・人気がある商品は買い足す
・レジ係にも商品の値段がはっきり見えるようにする
→お客様の来店が集中した時にパニックになって、値段をど忘れするケースが発生したため
「じゃあ、最後の質問ね。商売をする上で大切なことは何やと思う?」
私からの問いかけに対し、子どもたちは少し思案しながら語り始めます。
「やっぱり笑顔!こちらが笑顔で接客したら、お客さんも自然と笑顔になってくれたし」
「僕は自分が売りたい商品を置くことやと思う。売りたくない商品やったら、宣伝する気にならへんもん」
「お客さんにとって『わかりやすい』ことも重要じゃない?」
「当たり前だけど、計算間違いしないことかな。信用をなくしたら、二度とお店に来てくれなくなっちゃう」
実際に商売をやってみて感じた素直な感想が模造紙いっぱいに書き込まれていきました。
あとはこれらの意見をプレゼンアプリを使って事業報告書にまとめていくだけです。
月末に迫った事業報告会が今から楽しみです。
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