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活動レポート(またたび)

またたびクラスで「木をつくろう」

探究堂が現場に出向き、出張授業を行なう「またたび」クラス。
先週の訪問先は、いつもお世話になっている北大路の上総幼児園さんです。

 

授業の開始前に一人の男の子がつかつかと私のところへ寄ってきて、手紙を手渡してくれました。
その手紙には、可愛らしい似顔絵とともに、「ぶんせんせい、こないだは(授業)ありがとう」というメッセージが添えられてありました。
思わぬプレゼントは、素直に嬉しいと同時に今日も頑張ろうという気持ちにさせてくれます。

 

今回の授業では「木をつくろう」というワークショップを行いました。
遊びを通じて自然界に存在する法則を学ぶという実験的な試みです。

 

ちなみに、このワークショップはイタリアの作家である故ブルーノ・ムナーリによって開発されました。
プロダクト・デザイナー、グラフィック・デザイナー、絵本作家、映像作家、彫刻家、詩人。
様々な肩書きを持つムナーリですが、ピカソをして彼のことを「20世紀のダ・ヴィンチ」と評したエピソードを知れば、その凄さが伝わるのではないでしょうか。
(下に挙げた書籍の中で「木をつくろう」について紹介されていますので、ご興味ある方はぜひ手にとって見てみてください。)

 

 

さて、授業の様子に戻りたいと思います。
まずはじめに、子どもたちに今回の我々のミッション(「木をつくる」)を伝えました。
彼らの表情からは、「うわ、楽しそう!けど、どうやって?」と頭にハテナマークが浮かんでいる様子が伺えます。

 

そこで、「木」について知っていることや思いつくことをみんなに聞いてみることに。
すると、ある女の子が真っ先に「地面から伸びて、頭がもしゃもしゃしてる感じ!」と元気よく答えてくれました。
その発言を皮切りに、あちこちから勢いよく手が挙がり、次々に意見が出てきます。

 

半年前に初めてこのクラスを訪れた時、意見を求める場では特定の子が目立ちがちでした。
しかし、この日の授業では、これまであまり人前で発言しているのを見たことがなかった子も、自ら挙手して自分の思ったことを素直に話してくれていたのが印象的でした。

 

次に、木の構造についての簡単な説明です。

 

マグネットシートを木の枝に見立てて解説することで
・木の最も太い部分を幹と呼ぶ
・幹から離れれば離れるほど枝は細くなる
という重要なポイントを理解してもらいます。
(説明時の写真を撮り損ねたので、写真は再現イメージです。。)

 

「木」に対するイメージが広がったところで、いよいよ作業場所である遊戯室へ移動します。
いつもの教室とは違って、広々と開放的な空間での活動ということで、みんなのテンションも一気に上がります。

 

「みんなで木をつくってみよう!」

 

私は模造紙を半分に切って、またそれを半分に切って、「枝」の部品をつくっていきます。
子どもたちはセロハンテープを駆使し、幹から枝を派生させていきます。
木は床いっぱいに成長していきます。

 

「みんなで木をにぎやかにしよう!」

 

ペンやクレヨンで思い思いの絵を描いていきます。
木に直接描き込む子もいれば、コピー用紙の裏紙に描いた作品を木に貼り付ける子も。
全員が時間を忘れるほど夢中になって作業に取り組みます。

 

卒園式を間近に控える、さくら組。
作業をしながら、「みんなと一緒に木を作れて、良い思い出ができたなあ」としみじみ語る男の子がいました。
何ともほっこりした気分にさせられます。

 

 

「みんなで木を持ち上げてみよう!」

 

全員で頭の位置まで、木を持ち上げてみることに。
そよそよ風が吹いてきた場面を想定して、みんなでゆらゆら。
少し風が強くなってきた場面を想定して、さらにゆらゆら、ゆらゆら。
そして、風が止み、ゆっくりと木を床に置いて、おしまい。

 

 

最後に、自分のお気に入りの部分をそれぞれ持ち帰ってもらうことにしました。
木に直接描き込んであるものはちぎっても良しと伝えたので、みんなでつくった木はみるみる解体していきます。

 

 

* * *

 

「なんで、完成した作品を飾っておいたりしないんですか?」

 

授業後に見学者の方から、そのような質問を受けました。

 

このワークショップの目的は、質の高い成果物を作り上げることではありません。
「つくっては壊して」を繰り返し、より良いものを追究し続ける姿勢を大切にしてほしい。
ムナーリが開発した教育メソッドには、そのような思いが根底に流れているのです。

 

 

今回の授業に参加したことがきっかけで、子どもたちが普段何気なく散歩している時などに、「木」に対する見方が少しでも変わってくれたのなら幸いです。

 

さくら組のみんな、卒園おめでとう!

小学校に行っても、元気いっぱい遊んで、学んでね。

 

 

===体験授業と保護者説明会にご参加ください!

 

「探究型の学びってどんなものだろう?」
「子どもたちが学ぶ様子はどんな感じなの?」
「探究型の学びを通じて、子どもたちにどんな力が育まれるんだろう?」

 

このブログの読者の中で、上記のような感想を抱かれる人がいらっしゃるかもしれません。

 

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